「未来へのエッセー」for Soprano, Tenor and Organ
この作品は、大平健介オルガンリサイタル「オルガンの夕べ」の委嘱作品として今年の7月に、日本福音ルーテル東京教会にて演奏されました。音楽的な内容として、様々な私の想いを色々な角度から見つめ、それを一つの形にまとめていったというプロセスがあります。様々な私の想いとは、私に関わる全ての人(それだけでなく、私が知ることの出来ない世界中の人々も一生懸命に想像して)に対する想いのことであります。それら全てに共通することは<未来への祈り>であるのですが、家族や友人、恋人・・・人によって関わり方や想いというのはそれぞれ違うものだと思います。ですから今回、私は出来るだけ関係のない詞を書き一見、脈絡のない詞に対して音楽をつけていきたかったのです。
大平健介君の演奏会と彼の留学に対するお祝いの気持ち、そこから始まり、私の様々な想いを紡ぎ出していきました。今は教育的な現場に携わらせていただくことも多くなったので、そういった側面からも書かせていただきました。共通する<未来への祈り>を常に心で温めながら…。
最後に、この詞を載せさせていただきます。
「未来へのエッセー」
詞 伊東 光介
傷ついた心があるなら その想いを話して(放して)
“あなたからあなたへと”
そのお話に私が音楽をつけてあげましょう。
〈未来へのエッセー〉
どうして 私は人間に生まれてしまったの?
私はどうしても ピエロになりたかった
おどけたピエロになりたかった!!
そんなことかと 笑われるでしょう。こんな小さな 私の一つの悩みなんて くだらないでしょう。
「私が認めてあげる、あなたは立派なピエロ!この音楽の中で今、一緒に・・・」
ピエロになりましょう(ピエロになりたい)
こんな小さな私だけれど 誰かのことを喜ばせたくて(きっと喜ばせられる)
たとえ今夜だけのピエロかもしれないけれど・・・(たとえ今夜だけでも、それだって素晴らしいわ)
さぁ、一緒に【夢の二重唱】を歌いましょう。
それぞれの想いを映して・・・この音楽の中で!
音楽の中で今、ピエロになりましょう、さぁ!!
音程を知ることは、宇宙と調和すること(調和を知ること)
音階を知ることは、世界を駆け巡ること(駆け巡る力を知ること)
「私にとってピエロになることは、誰かのことを喜ばせられること。ただ、それだけ・・・。」
“アーメン”の代わりに“ありがとう”と言おう!あなたが今日も生きていてくれて
それが全ての始まりだから
それが全ての“すべて”でもある!!
あなたがいるから この音楽も生まれた
新しい世界の幕が開けた
あなたへ“ありがとう”
〈未来へのエッセー〉